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要約
ローカル GPU とクラウドは、状況に応じて使い分けるのがベストという結論に至りました。
今回、ローカル環境(RTX3070・2020年発売)と ConoHa AI Canvas で速度検証を行ったところ、ControlNet×3 + LoRA×2 のフル構成で約 3.3 倍の速度差が出ました。
ただし、RTX3070 は発売から 5 年以上経過したミドルレンジ GPU です。より新しい GPU をお持ちの方は、ローカルだけでも十分快適に使えるでしょう。
一方で、RTX3070 クラスの GPU を使っている方や、大量生成・締め切りがある場面では、クラウドとの併用が効率的です。
📖 関連記事: ConoHa AI Canvas レビュー|登録方法・料金プラン・基本的な使い方
初めての方は、まずこちらで基本情報をご確認ください
はじめに
普段、ローカル環境(RTX3070・VRAM 8GB)で ComfyUI を使って画像生成をしています。
ベースモデルだけなら問題ないのですが、ControlNet を複数使ったり、LoRA を重ねたりすると、生成速度がかなり遅くなります。
「クラウド GPU を併用したら、どれくらい改善するんだろう?」
そう思って、ConoHa AI Canvas で実際に速度検証をしてみました。
結果として、負荷が高いワークフローほどクラウドの恩恵が大きいことがわかったので、検証データとともに共有します。
検証環境
今回の検証で使用した環境は以下の通りです。
ハードウェア・サービス比較
| 項目 | ローカル環境 | ConoHa AI Canvas |
|---|---|---|
| GPU | RTX3070(VRAM 8GB・2020年発売) | クラウド GPU |
| UI | ComfyUI | ComfyUI |
| プラン | – | Entry(月額 1,100 円) |
| 時間単価 | 電気代のみ | 6.6 円/分・396 円/時(超過時) |
使用モデル
| 種類 | モデル名 |
|---|---|
| チェックポイント | sd_xl_base_1.0 |
| ControlNet(OpenPose) | OpenPoseXL2.safetensors |
| ControlNet(Canny) | control-lora-canny-rank256.safetensors |
| ControlNet(Depth) | control-lora-depth-rank256.safetensors |
| LoRA 1 | Bubble XL |
| LoRA 2 | DarkFantasy FPS |
共通設定
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 解像度 | 1024 × 1024 |
| Steps | 25 |
| Sampler | DPM++ 2M |
| CFG | 7.0 |
| Batch size | 1 |
| 生成枚数 | 10枚/回 |
ControlNet と LoRA は、ConoHa とローカルで同じファイルを使用しています。条件を揃えるため、Hugging Face と Civitai から同一モデルをダウンロードして両環境に配置しました。
検証結果①:ベースモデルのみ
まずは ControlNet も LoRA も使わない、シンプルな構成での比較です。
SDXL 1024×1024 ベース比較
| 環境 | 1枚あたり | 1時間あたり |
|---|---|---|
| ローカル(RTX3070) | 14.4 秒 | 約 250 枚 |
| ConoHa AI Canvas | 10.7 秒 | 約 336 枚 |
速度差:ConoHa が約 1.35 倍速い
この段階では「まあ少し速いかな」程度の差です。
検証結果②:ControlNet 使用時
次に、ControlNet を追加した場合の速度を比較します。
OpenPose 単体(ControlNet×1)
| 環境 | 1枚あたり | 1時間あたり |
|---|---|---|
| ローカル(RTX3070) | 24.0 秒 | 約 150 枚 |
| ConoHa AI Canvas | 14.5 秒 | 約 248 枚 |
速度差:ConoHa が約 1.66 倍速い
ControlNet を 1 つ追加しただけで、速度差が 1.35 倍 → 1.66 倍に拡大しました。
OpenPose + Canny + Depth(ControlNet×3)
| 環境 | 1枚あたり | 1時間あたり |
|---|---|---|
| ローカル(RTX3070) | 67.9 秒 | 約 53 枚 |
| ConoHa AI Canvas | 25.9 秒 | 約 139 枚 |
速度差:ConoHa が約 2.62 倍速い
ControlNet を 3 つ使うと、ローカルでは 1 枚に 1 分以上かかるようになります。
ConoHa なら 26 秒程度で済むので、作業効率が大きく変わってきます。
検証結果③:ControlNet + LoRA 併用時
最後に、実用的なワークフローを想定した「フル構成」での比較です。
ControlNet×3 + LoRA×2
| 環境 | 1枚あたり | 1時間あたり |
|---|---|---|
| ローカル(RTX3070) | 84.7 秒 | 約 42 枚 |
| ConoHa AI Canvas | 25.6 秒 | 約 141 枚 |
速度差:ConoHa が約 3.31 倍速い
ローカルでは 1 枚生成するのに 1 分半近くかかりますが、ConoHa なら 26 秒で完了します。
速度差の推移まとめ
| 構成 | ローカル | ConoHa | 速度倍率 |
|---|---|---|---|
| ベースのみ | 14.4 秒 | 10.7 秒 | 1.35 倍 |
| ControlNet×1 | 24.0 秒 | 14.5 秒 | 1.66 倍 |
| ControlNet×3 | 67.9 秒 | 25.9 秒 | 2.62 倍 |
| ControlNet×3 + LoRA×2 | 84.7 秒 | 25.6 秒 | 3.31 倍 |
負荷が高くなるほど、クラウドとローカルの速度差は拡大します。
ベースモデルだけなら 1.35 倍ですが、実用的なワークフロー(CN + LoRA)では 3 倍以上の差になりました。
100 枚生成した場合のコスト比較
実際に 100 枚生成する場合、時間とコストはどうなるでしょうか?
ControlNet×3 + LoRA×2 構成で 100 枚生成
| 環境 | 所要時間 | コスト |
|---|---|---|
| ローカル(RTX3070) | 約 141 分(2.3 時間) | 電気代のみ(約 50〜100 円) |
| ConoHa AI Canvas | 約 43 分(0.7 時間) | 約 284 円(超過分のみ) |
※ Entry プランは月 10 時間の無料枠あり。無料枠内なら追加コストなし
無料枠内で収まる範囲なら、この比較は実質コスト0円で試せます。
時間とコストのトレードオフ
- ローカル: 時間はかかるが、コストは安い
- ConoHa: コストはかかるが、時間を大幅に短縮できる
100 枚生成する場合、ConoHa を使えば 約 100 分(1 時間 40 分)の時間短縮 になります。
なぜ負荷が高いほど差が開くのか
検証結果を見ると、ControlNet や LoRA を追加するほど速度差が拡大しています。
これには理由があります。
GPU 処理の仕組み
ControlNet や LoRA を使うと、以下の処理が追加されます:
- ControlNet: 画像の前処理 + 追加の推論計算
- LoRA: モデルの重み調整 + 追加の行列演算
これらの処理は VRAM 帯域と GPU 演算能力 に依存します。
RTX3070 の特性
RTX3070 は 2020 年発売のミドルレンジ GPU で、VRAM が 8GB に制限されています。
発売当時は優秀なスペックでしたが、SDXL 世代のモデルには少し厳しくなってきています。
複数の ControlNet + LoRA を同時に使うと:
- VRAM がギリギリになる
- メモリスワップが発生して速度低下
- GPU 演算がボトルネックに
より新しい GPU(RTX4070 以上など)であれば、VRAM も演算能力も向上しているため、ローカルでも快適に動作する可能性が高いです。
今回の検証結果は「RTX3070 クラスの GPU を使っている場合」の参考値としてご覧ください。
ローカルとクラウドの使い分け
今回の検証結果を踏まえて、どう使い分けるのがベストか考えてみました。
ローカル環境が向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 軽い生成(ベースモデルのみ) | 速度差が小さく、コストがかからない |
| 試行錯誤・プロンプト調整 | 細かい調整を繰り返すなら時間課金は不向き |
| 長時間の放置生成 | 時間を気にせず回せる |
ConoHa AI Canvas が向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| ControlNet + LoRA のフル構成 | 速度差が 3 倍以上出る |
| 大量生成(100 枚以上) | 時間短縮効果が大きい |
| 締め切りがあるとき | 時間をお金で買える |
| ローカル環境のトラブル時 | バックアップとして使える |
併用がベストな理由
どちらか一方ではなく、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
- 普段のプロンプト調整 → ローカル
- 本番の大量生成 → ConoHa
- 夏場の排熱対策 → ConoHa
- PC メンテナンス中 → ConoHa
📖 関連記事: ConoHa AI Canvas レビュー|Entry プランの始め方と使用感
料金プランの詳細や登録手順は、こちらで詳しく解説しています
検証で使った ControlNet・LoRA について
今回の検証で使用したモデルの入手先を記載しておきます。
ControlNet(すべて SDXL 対応)
| モデル | 入手先 |
|---|---|
| OpenPoseXL2 | Hugging Face – thibaud/controlnet-openpose-sdxl-1.0 |
| Canny rank256 | Hugging Face – stabilityai/control-lora |
| Depth rank256 | Hugging Face – stabilityai/control-lora |
LoRA
| モデル | 入手先 | ライセンス |
|---|---|---|
| Bubble XL | Civitai | 商用利用可・クレジット不要 |
| DarkFantasy FPS | Civitai | 商用利用可・クレジット不要 |
ControlNet の Canny と Depth は StabilityAI 公式のものを使用しています。ComfyUI の
models/controlnet/ フォルダに配置すれば利用できます。よくある質問
はい、あります。今回の検証では、ControlNet×3 + LoRA×2 の構成で約 3.3 倍の速度差が出ました。負荷が高いワークフローでは、クラウドの恩恵が大きくなります。また、ローカル環境のトラブル時やメンテナンス時のバックアップとしても有用です。
RTX4090 クラスの GPU であれば、ローカルでも十分な速度が出ると思います。今回の検証は RTX3070(ミドルレンジ)との比較なので、ハイエンド GPU をお持ちの方には当てはまらない可能性があります。
具体的な GPU 型番は公開されていません。ただし、今回の検証結果から、RTX3070 よりも高性能な環境であることは確認できました。
はい、今回の検証はすべて Entry プラン(月額 1,100 円)で実施しています。プランによる速度の違いはありません。違いはストレージ容量と無料利用時間のみです。
ConoHa AI Canvas にはファイルマネージャーが用意されており、ブラウザからドラッグ&ドロップでアップロードできます。ComfyUI の対応フォルダに配置すれば、すぐに使用可能です。
まとめ
RTX3070(2020年発売)と ConoHa AI Canvas の速度検証を行った結果、ローカルとクラウドの併用が最も効率的という結論に至りました。
検証結果まとめ(RTX3070 との比較)
| 構成 | 速度倍率(ConoHa / RTX3070) |
|---|---|
| ベースモデルのみ | 1.35 倍 |
| ControlNet×1 | 1.66 倍 |
| ControlNet×3 | 2.62 倍 |
| ControlNet×3 + LoRA×2 | 3.31 倍 |
この検証結果が参考になる人
- RTX3070 など、少し前のミドルレンジ GPU を使っている
- ControlNet や LoRA を多用するワークフローで速度に不満がある
- GPU の買い替えは考えていないが、作業効率は上げたい
- ローカル環境のバックアップが欲しい
この検証結果が当てはまらない人
- RTX4070 以上の新しい GPU を持っている
- ベースモデルのみでシンプルな生成がメイン
- 時間に余裕があり、コストを最小化したい
ローカルとクラウドは「どちらか一方」ではなく、自分の環境と状況に応じて使い分けるのがベストです。
試行錯誤はローカル、締切や大量生成はクラウドという使い分けが最も合理的です。
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