MiniMax H3で静止画をアルバム風の告知動画に──FLF2VとReference to Videoの使い分けとクレジット実数

生成AI

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要約

  • 画像集の静止画を、「夏のアルバムをめくる」体裁の36.5秒の告知動画にしました。動画の生成は Comfy Cloud の MiniMax H3、編集は Python と ffmpeg です
  • 写真を数秒だけ動かすのと、アルバムの写真へ寄るのは H3 の FLF2V(最初と最後のフレームを指定)で作りました。ページめくりは FLF2V だと左ページの写真が白紙になったので、参照画像3枚を渡す Reference to Video に切り替えて直しています
  • つなぎ目で一瞬サイズが変わって見えたのは、H3 の着地が指定した画像から1〜2%ずれていたためでした。ずれを測って、クリップの最後の0.5秒で補正しています
  • H3 の11本と BGM などを合わせて、2日間で約1,710クレジットでした

はじめに

BOOTH で、オリジナルキャラクター「瑠水奈(るみな)」の画像集『瑠水奈と、2泊3日の夏。』を出しています。中身は全30シーンの静止画の壁紙集です。

これを YouTube で紹介したくて、告知動画を作りました。ただ、静止画の商品なのに動画をそのまま見せると、「動画の商品なのかな」と思われそうなんですよね。そこで、夏のアルバムを見返していて、写真が数秒だけ動き出すという見せ方にしました。

アルバムの寄りやページめくりも、ほとんど MiniMax H3 に作ってもらっています。思った通りにいかなかったところと、その直し方を中心に、Comfy Cloud で同じような動画を作りたい人が再現できるようにまとめます。

モチベル
写真が動き出すアルバムって、映画みたいね
クーラット
見せ方はシンプルなんだけど、ページをめくるところでけっこう苦労したんだよ

作ったもの

完成したのは、次の3本です。

版 サイズ 長さ
16:9 版(YouTube) 1920×1080 36.5秒
YouTube ショート版 1080×1920 36.5秒
Instagram リール版 1080×1920 36.5秒

縦型の2本は、同じ映像を、スマホの画面にかかる UI の位置に合わせて並べ直したものです(後半で説明します)。

動画で紹介している画像集はこちらです。

全30シーンの壁紙集(4K / FHD)。動画ではなく静止画の商品です


試した環境

項目 内容
日時 2026年10月14日〜15日
実行先 Comfy Cloud
動画生成 MiniMax H3(768P / seed 42 / ウォーターマークなし)
BGM Sonilo Video to Music
ナレーション Fish Audio Drama 3(女性・男性のナレーション4本)
編集 Python(OpenCV)+ ffmpeg
元の静止画 画像集の1920×1080の画像(画像生成 AI で作成)

H3 などのパートナーノードは、Comfy Cloud のクレジットで使えます


MiniMax H3の告知動画の組み立て

動画の流れは、「アルバムの写真へ寄る → 写真が動く → 引いてページをめくる」を3回くり返して、最後に画像集のキービジュアルで終わる形です。

告知動画の組み立て図。海・夏祭り・港の3行それぞれに、寄り(FLF2V 4秒)、動く写真(FLF2V 5秒)、めくり(Reference 6秒)が矢印で並び、最後に寄りからキービジュアルへ進む
H3 で作ったクリップ10本と、最後の静止画をつないでいる

使った H3 の作り方は2つです。

作り方 指定できるもの 使った場面
FLF2V(First-Last Frame to Video) 最初と最後のフレーム(2枚) 写真を動かす・アルバムへ寄る
Reference to Video 参照画像(今回は3枚)。最初・最後のフレームとは併用できない ページめくり

つなぎ目を目立たなくするために、前のクリップの最終フレームを切り出して、次のクリップの最初のフレームに使っています。こうすると、つなぎ目の前後が同じ絵になります。


写真を数秒だけ動かす(H3 FLF2V)

まずは、アルバムの中の写真が動き出す部分です。FLF2V の最初のフレームと最後のフレームに、同じ写真を入れました。写真から始まって、少し動いて、写真に戻る、という動きになります。

項目 値
テンプレート api_minimax_h3_flf2v
解像度・長さ 768P / 5秒
出力 1344×768 / 24fps / 約5.17秒 / 音声つき
クレジット 1本 135.78(見積もりは136)
H3 FLF2Vの出力から切り出した2コマ。左は0秒で入力した写真と同じ絵、右は2.6秒で髪と波が少し動いた絵
左が0秒、右が2.6秒。ポーズは保ったまま、髪と波だけが動く

プロンプトで気を付けたのは次の3つです。

  • 外見はプロンプトに書かない。 顔や服は、最初と最後に入れた写真で決まります。動かしたいもの(髪、波、光)だけを書きました
  • 目を細めさせない。 まばたきや笑って目を細める動きは、半目の瞬間に別人っぽく見えることがあるので、eyes open と書いて避けています
  • 口が開いた写真には without speaking を足す。 H3 は音も作るので、口が動くとしゃべっているように見えて、あとで重ねるナレーションと食い違いそうだったからです

3本のプロンプトの後半は、どれも同じ文にしました。

Subtle, small natural motion only; she stays in the same pose and position. Static camera, no zoom. Identity, face and outfit remain consistent throughout.

テンプレートの既定のプロンプトにある Use Image 1 as the first frame and Image 2 as the last frame. は入れていません。

3本で 407.34 クレジットでした。生成前の残高 6,838 が 6,430 になったので、差は 408 です。見積もり(136 × 3)とほぼ一致していました。


アルバムへ寄る(H3 FLF2V)

次は、テーブルの上のアルバムから、写真へカメラが寄っていく部分です。

最初は「アルバムも H3 に描いてもらう」ことも考えたんですが、それだと写真の中身が描き直されてしまいます。そこで、アルバムの見開きは Python で合成した静止画にしました。紙の質感のページに、白いフチを付けた写真を少し傾けて貼っています。

Pythonで合成したアルバムの見開き。木のテーブルの上に開いたアルバムがあり、左右のページに白いフチの写真が少し傾けて貼られている
合成したアルバムの見開き。これを FLF2V の最初のフレームにした

FLF2V の最初のフレームにこの見開き、最後のフレームに右ページの写真を入れて、「右の写真に寄っていく」と書きました。

A nostalgic memory scene. An open photo album lies on a wooden table. The camera slowly and smoothly pushes in toward the photo on the right page, the beach photo of the girl with her arms open wide, until that photo fills the entire frame. The photos stay perfectly still like printed pictures; nothing inside them moves. Soft warm light, gentle paper texture. Sound: the quiet rustle of paper and a calm room tone. No text, no hands, no people outside the photos. Identity, face and outfit in the photo remain consistent throughout.
項目 値
長さ 4秒(出力は約4.46秒)
クレジット 108.62(見積もりは109)
寄りきるまで 約3秒。残りの約1.5秒は写真のまま止まっている

最終フレームと、次の「動く写真」のクリップの先頭フレームを比べると、SSIM(画像の似ている度合い。1で完全一致)は 0.920 でした。見た目でも、ほぼ同じ絵につながっています。


ページめくりをFLF2Vで作ると左ページが白紙に

最初は、ページめくりも FLF2V で作りました。最初のフレームは画面いっぱいの写真、最後のフレームは次の見開きです。「写真から引いてアルバム全体を見せ、右ページをめくって次の見開きへ」と書きました。

めくる動き自体はきれいだったんです。ただ、引いたときに左ページが白紙になっていました。

最初のフレームには右の写真しか映っていないので、H3 は左ページに何があるのかを知りません。FLF2V は最初と最後の2枚しか指定できないので、途中の「見開き全体が見えている状態」を伝える方法がないんですよね。

ページめくりはReference to Videoで(参照画像3枚)

そこで、Reference to Video に切り替えました。参照画像を3枚渡して、プロンプトの中で <Picture 1> 〜 <Picture 3> を、それぞれ最初・途中・最後のフレームとして指定します。

参照画像 中身 役割
<Picture 1> 画面いっぱいの写真 最初のフレーム
<Picture 2> 見開き(左右に写真) 途中(00:02 時点)のフレーム
<Picture 3> 次の見開き 最後のフレーム
ページめくりの比較。左はFLF2Vで、引いたときに左ページが白紙。右はReference to Videoで、左ページにも浜辺の写真が出ている
左が FLF2V、右が Reference to Video。途中の状態を参照画像で渡すと、左の写真が出た

Reference to Videoのプロンプト例

プロンプトは、参照画像の役割・残し方・時間ごとの動き・音を項目に分けて書く形にしました。

subject_definitions:
<Picture 1> is the first frame of [Shot 1]: a single printed beach photo of a girl with her arms open wide, filling the entire frame.
<Picture 2> is the keyframe of [Shot 1] at 00:02.000: an open photo album on a wooden table seen from above, with <Picture 1> pasted on the right page with a white border, tilted slightly, and a second beach photo pasted on the left page.
<Picture 3> is the last frame of [Shot 1]: the next spread of the same album, with a night summer festival photo on the left page and a night sparkler photo on the right page.

summary:
[keyframe completion] One continuous shot that begins on <Picture 1>, pulls back to reveal the album spread of <Picture 2>, then turns the right page over to end on the spread of <Picture 3>.

retention_analysis:
<Picture 1> ([Shot 1] first frame): fully_preserved - the photo's content, colors and composition are reproduced exactly and never move.
<Picture 2> ([Shot 1] keyframe at 00:02.000): fully_preserved - the album, both photos, their white borders, tilt angles and positions match exactly.
<Picture 3> ([Shot 1] last frame): fully_preserved - the final spread, both photos, their borders, angles and positions match exactly.

detailed_description:
The target video is a quiet, nostalgic memory scene with soft warm light and a gentle paper texture, in one continuous shot with no cuts.
[Shot 1] The shot begins from <Picture 1>, the printed beach photo filling the entire frame. The camera smoothly pulls back at a steady, slow speed, revealing the white border of the photo and then the cream paper of the album page around it. By 00:02.000 the shot reaches the keyframe <Picture 2>: the open album lies flat on the wooden table, <Picture 1> is pasted on the right page, and the second beach photo is clearly visible on the left page. The camera then holds still from above. At about 00:02.500 the right page lifts at its outer edge and turns over from right to left in one smooth, natural arc, its paper bending softly; the back of the turning page carries the night summer festival photo, which settles onto the left side. By 00:04.500 the page lies flat and the shot ends on <Picture 3>, held still until the final frame. Every printed photo stays perfectly still like a real print; nothing inside any photo moves, and the photo contents are never redrawn. No hands, no text, no people outside the photos.

overall_soundscape:
A calm room tone throughout, with a soft dry paper rustle as the page lifts and a gentle paper flap as it lands at about 00:04.500.

non_diegetic_music:
N/A

FLF2Vとの比較

結果、引いたあとに左ページの写真がちゃんと出ました。めくれるページの表には元の写真、裏には次の見開きの写真が来ていて、紙の向きとしても合っています。

項目 FLF2V Reference to Video
長さ 6秒 6秒
クレジット 162.93 162.93(参照画像3枚でも上乗せなし)
左ページの写真 白紙 出る
最終フレームと次の見開きの SSIM 0.870 0.789

Reference to Video には、気になるところも2つありました。

  • 秒の指定は目安くらい。 00:02.000 で見開きにしてと書きましたが、実際に見開きの状態になったのは3秒前後でした
  • つなぎ目の一致は FLF2V より下がる。 最後のフレームは紙の色が少し灰色に寄り、写真の位置もわずかにずれました。これは次の節の補正でカバーしています

残りの2回のページめくりも、同じ型のプロンプトで写真の説明だけを差し替えて作りました。最後の見開きにはキービジュアル(タイトル文字が入った画像)を貼っているので、No text を No added text にして、印刷された文字はそのまま残すように書いています。

モチベル
途中の絵も渡せば、そのとおりに通ってくれるのね
クーラット
時間はぴったりじゃないけどね。でも「白紙になる」は確実に直ったよ

つなぎ目で一瞬サイズが変わるのを直す

クリップを全部つなぐと、55.8秒ありました。止まっている時間が長く、告知としては長すぎたので、編集で36.5秒まで詰めています。そのときに出たのが、つなぎ目で一瞬、絵の大きさが変わって見える問題です。

寄りは途中で切らず、速度で詰める

最初は、寄りのクリップの止まっている後半を切って短くしていました。ところが、寄りきる前で切ると、次のクリップの写真と大きさが10〜30%も違うんです。

そこで、寄りは最後まで使って、再生速度を上げて詰める形にしました。ページめくりも同じで、めくりが着地する前に切ると不自然になります。着地の時刻をフレームの差分で測ってから、速度を決めました。

つなぎ目 めくりの着地 速度
1 → 2 5.7秒 引きは2.2倍・めくり〜着地は1.2倍
2 → 3 5.8秒 同上
3 → キービジュアル 5.2秒 同上

H3の着地は1〜2%ずれる

最後まで使っても、まだ少しだけ大きさが跳ねて見えるところがありました。測ってみると、H3 の寄りは、最後のフレームとして渡した画像から1〜2%ずれて着地していたんです。最後のキービジュアルへのつなぎ目では、H3 の着地が静止画より1.5%大きく、絵が縮んで見えていました。

そこで、つなぎ目ごとにずれを測って、クリップの最後の0.5秒(12フレーム)で少しずつ補正しています。ずれの測り方は、OpenCV の ORB で2枚の画像の特徴点を対応付けて、拡大縮小・移動を求めるやり方です。考え方の部分だけを抜き出すと、次のようになります。

import cv2
import numpy as np

def match(a, b):
    """a を b に重ねるための変換(拡大縮小・回転・移動)を求める"""
    orb = cv2.ORB_create(4000)
    ga, gb = cv2.cvtColor(a, cv2.COLOR_BGR2GRAY), cv2.cvtColor(b, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
    ka, da = orb.detectAndCompute(ga, None)
    kb, db = orb.detectAndCompute(gb, None)
    m = sorted(cv2.BFMatcher(cv2.NORM_HAMMING, crossCheck=True).match(da, db),
               key=lambda x: x.distance)[:500]
    pa = np.float32([ka[x.queryIdx].pt for x in m])
    pb = np.float32([kb[x.trainIdx].pt for x in m])
    M, _ = cv2.estimateAffinePartial2D(pa, pb, ransacReprojThreshold=2)
    return M

def ease(x):
    return x * x * (3 - 2 * x)

# クリップの最終フレームを、次のクリップの先頭フレームに合わせる変換を求め、
# 最後の RAMP フレームで「無変換 → M」へ少しずつ寄せる
RAMP = 12  # 24fps で 0.5秒
M = match(frames[-1], next_first).astype(np.float32)
ident = np.float32([[1, 0, 0], [0, 1, 0]])
n = len(frames)
for k in range(n - RAMP, n):
    a = ease((k - (n - RAMP) + 1) / RAMP)
    frames[k] = cv2.warpAffine(frames[k], ident * (1 - a) + M * a,
                               (frames[k].shape[1], frames[k].shape[0]),
                               borderMode=cv2.BORDER_REPLICATE)

1〜2%のずれなら、0.5秒かけて合わせれば動きの中に紛れて、見ていて気になりませんでした。

状態 つなぎ目のずれ 見え方
寄りを途中で切る 10〜30% はっきりサイズが跳ねる
寄りを最後まで使う 1〜2%(キービジュアルの前は1.5%) 一瞬、縮む・膨らむ
最後の0.5秒で補正 — 気にならない

ちなみに、H3 の出力は1344×768で、入力の1920×1080とは縦横比がわずかに違います。最後は全体を1920×1080に拡大して書き出しています。


音:H3の音を外してBGMを作る

H3の音にはBGMが入っていた

H3 は映像と一緒に音も作ります。最初はその音(紙の音や波の音)を残して、上に BGM とナレーションを重ねていました。でも、聞いてみるとなんだか不穏なんです。

原因は、H3 の音にも H3 自身が付けた BGM が入っていたことでした。別の BGM と重なって、ちぐはぐな響きになっていたんですね。H3 の音を外したら、不穏さは消えました。代わりにめくる音もなくなりましたが、今回は BGM とナレーションだけで十分でした。

Sonilo Video to Musicで映像に合わせて作曲

BGM は、映像を渡すとそれに合わせて曲を作ってくれる Sonilo Video to Music で作りました。36秒の映像で、1本 69.4 クレジットです。

回 指示 結果
1本目 なし(映像だけ) 一番まとまっていたが、軽快で爽やかすぎた
2本目 静か・ノスタルジック・ピアノ中心 寂しさが強すぎた
3本目 明るめ・懐かしいけど前向き ちょうどよかった(採用)

3本目の指示はこれです。

Warm and gently uplifting, nostalgic but hopeful. Soft piano with light acoustic guitar and airy strings, relaxed mid-tempo, like a bright summer afternoon remembered fondly. Tender, not sad, not too upbeat, no heavy drums.

指示なしだと明るく軽快な方に寄るので、雰囲気は言葉で寄せる必要がありました。2〜3回で狙いの雰囲気になっています。

比較のために、ACE-Step 1.5 でもピアノ曲を3本作りました(seed 違い)。こちらはパートナーノードではないので、かかったのは GPU 時間の分だけで、1本あたり6〜8秒です。今回は映像の流れに合わせてくれる Sonilo の方を選びました。

重ね方

BGM とナレーションは、ffmpeg で次のように重ねました。

  • BGM の音量を -26 LUFS にそろえ、ナレーションが入るところだけ BGM を下げる(サイドチェイン)
  • BGM は頭1秒でフェードイン、最後2.5秒でフェードアウト
  • 全体を -14 LUFS にそろえる
  • 字幕は ASS 形式で焼き込み、フォントは Noto Serif JP

タイトルや字幕は H3 に描かせず、編集で載せています。 動画生成モデルに文字を書かせると崩れやすいので、文字は最後に重ねる方が確実です。


掛け合いで作った男性の声だけが高かった

ナレーションは、女性と男性の声で4本です。Fish Audio Drama 3 で作りました。

仕上げの途中で、3本目の「君のことが。」の男性の声だけが、ほかより一段高く聞こえることに気付きました。

最初は、H3 の音が重なっているせいだと考えて、いったんは元の音声のままにしました。でも、H3 の音を外して BGM も差し替えた版で聞き直すと、やっぱり高いんです。

そこで、声の高さ(基本周波数の中央値)を測ってみました。

音声 声の高さ
2本目の男性の声 118Hz
3本目の男性の部分(掛け合いで生成) 162Hz
男性の部分だけを単独で作り直したもの(3テイク) 113Hz / 114Hz / 106Hz

3本目だけは、女性の声から男性の声へつなぐ掛け合い(@Voice1 → @Voice2)を、1回で生成していました。少なくとも、H3 の音のせいだという最初の見立ては外れでした。

男性の部分だけを、2本目と同じ設定で単独に作り直して、114Hz のテイクに差し替えています。作り直しは1本 0.19 クレジットでした。

何本か作り直して確かめた

1本だけでは、たまたまなのか、掛け合いだと起きやすいのかが分かりません。そこで、同じ声・同じ設定で、話す順番を変えて何本か作りました。

項目 内容
声 女性 Calm Female (ja) / 男性 Calm Male (ja)
設定 drama-3 / temperature 0.7 / top_p 0.7 / speed 1.0
台本 女性「意識してなかったはずの、」と男性「君のことが。」。どちらにも [思い出をたどるように、静かに] を付けた
測り方 無音の区間で前後に分け、男性の部分の声の高さ(中央値)を測った
生成のしかた 本数 男性の声の高さ
男性だけ(単独) 3 114Hz / 116Hz / 108Hz
掛け合い・男性が先 3 127Hz / 119Hz / 124Hz
掛け合い・女性が先(告知動画と同じ順番) 5 119Hz / 140Hz / 133Hz / 138Hz / 140Hz
(参考)告知動画で使った1本 1 162Hz

女性の後に話した男性の声は、5本中4本が単独のときより20Hz以上高くなっていました。男性が先に話した場合も、単独より少し高めです。一方で、告知動画の1本(162Hz)ほど上がったものはありませんでした。

掛け合いにすると、男性の声が単独のときより高めに出る傾向はありそうです。ただ、どれくらい上がるかは毎回違っていて、今回の162Hzは、その中でも大きく外れた1本だったようです。

台本の1行目を @Voice2 から書き始めた版(男性 = Voice2 のまま、男性のセリフを先にした版)も3本作りました。こちらは男性のセリフの部分も216〜229Hzで、女性の声と同じくらいの高さでした。聞いてみても、男性のセリフは女性の声で読まれていたので、上の表からは外しています。

Comfy の Fish Audio Text to Speech ノードのドキュメントには、「声を2つ以上つないだら @Voice1 @Voice2 で話者の切り替えを書く」「つないだ声はすべて1回は台本に出てくること」とありますが、どちらから書き始めるかの決まりは見当たりませんでした(2026年10月15日時点)。仕様なのか不具合なのかは分からないので、話す順番を変えたいときは、先に話す人を @Voice1 に割り当てておくのが無難だと思います。

この確認にかかったのは、掛け合い14本で API 分が1本 0.52 クレジット、GPU 時間を合わせて約13.6クレジットでした(告知動画の合計には入れていません)。

声をそろえたいときは聞き比べてから
Drama 3 の掛け合いは、1回で自然な会話になるのが魅力です。ただ、僕が試した範囲では、掛け合いにすると男性の声が単独のときより高めに出ることが多く、上がり方も毎回違いました。別々のカットで同じ人の声として聞かせたいときは、話者ごとに単独で作ったものと聞き比べてから決めると安心だと思います。

縦型をショートとリールの2版にする

縦型は、16:9 の映像を、白いフチの写真としてクリーム色の紙の背景に置き、上にタイトル、下に字幕を出すレイアウトにしました。最後は正方形のキービジュアルです。

最初は YouTube ショート用の1本だけでしたが、Instagram のリールにも出すことにしました。リールは画面の下の約3分の1にキャプションやユーザー名が重なるので、ショート版のままだと字幕が隠れてしまいます。

そこで、配置を2種類用意して、1回の実行で両方を書き出すようにしました。

版 配置
YouTube ショート版 下端と右端の UI を避けた配置
Instagram リール版 上を14%、下を35%空けて、映像と字幕を上に寄せた配置
縦型の2版を並べた比較。左のYouTubeショート版は写真と字幕が画面の中ほど、右のInstagramリール版は写真と字幕が上寄りに配置されている
左が YouTube ショート版、右が Instagram リール版。リールは下の UI を避けて全体を上に寄せた

投稿した Instagram リール版はこちらです。


Comfy CloudでのMiniMax H3のクレジット消費

2日間で使ったクレジットの内訳です。Comfy Cloud の利用履歴(Activity)の値で、GPU 時間の分は公式の単価(1秒あたり 0.266 クレジット)で換算しました。

項目 本数 クレジット
H3 動く写真(FLF2V・5秒) 3 407.34
H3 寄り(FLF2V・4秒) 4 434.48
H3 ページめくり(FLF2V・6秒、不採用) 1 162.93
H3 ページめくり(Reference to Video・6秒) 3 488.79
H3 の小計 11 1,493.54
Sonilo Video to Music(36秒) 3 208.2
Fish Audio Drama 3(作り直し) 3 0.57
GPU 時間(ACE-Step・Fish Audio、計28.8秒) — 約7.7
合計 約1,710

※ 2026年10月14日〜15日の実測です。ナレーション4本は別の日に作ったもので、この合計には入っていません。

残高は 6,838 から 5,128 になりました。差は 1,710 で、明細から計算した値と一致しています。

H3 は、768P で4秒 108.62、5秒 135.78、6秒 162.93 でした。Reference to Video でも、同じ6秒なら FLF2V と同じ値段です。

使わなかった分は、不採用にした FLF2V のページめくり(162.93)と、BGM の作り直し2本(138.8)です。FLF2V の限界は1回試して分かったので、最初から Reference to Video でページめくりを作っていれば、162.93 は浮いた計算になります。


商用利用で確認したこと

告知動画は商品の宣伝に使うので、使ったサービスの商用利用を確認しました。Comfy 公式ドキュメントの提供元ごとのライセンス一覧では、次のようになっていました(2026年10月14日〜15日時点)。

提供元 Comfy Cloud ローカル版 ComfyUI
MiniMax(H3) ✓ 別途申請
Fish Audio ✓ 確認中
Sonilo ✓ —
  • H3 は Comfy Cloud で生成しました。 ローカル版 ComfyUI から H3 を使った出力を商用で使うには、MiniMax への別途の申請が必要とされています
  • Sonilo は、一覧で Comfy による確認(Verified)が済んでいない提供元なので、Sonilo 自身の規約とプライバシーポリシーが適用されます
  • ACE-Step 1.5 はモデルカードで MIT ライセンスとされていて、生成した音楽の商用利用ができると書かれています
  • Fish Audio の利用規約では、AI で作った音声を人の声として見せることが禁止されています

一覧は Comfy が確認を進めている途中のものなので、使うときはその時点の内容と各サービスの規約を確認してください。


よくある質問


QMiniMax H3のFLF2VとReference to Videoはどう使い分けますか?
A
最初と最後の絵だけで動きが決まるなら FLF2V、途中の状態も指定したいなら Reference to Video です。今回は、写真を動かす・写真へ寄るのは FLF2V、引いてからページをめくる動きは Reference to Video にしました。FLF2V では、最初のフレームに映っていないもの(今回は左ページの写真)が描かれませんでした。

QReference to Videoで最初と最後のフレームを指定できますか?
A
Reference to Video のノードには、FLF2V のような最初・最後のフレームの入力はありません。今回は、参照画像3枚をプロンプトの中で <Picture 1> 〜 <Picture 3> として、最初・途中・最後のフレームだと書いて指定しました。最初と最後はほぼその通りになりましたが、途中の秒の指定は目安くらいでした。

QMiniMax H3は1本で何クレジットかかりますか?
A
768P では、4秒で 108.62、5秒で 135.78、6秒で 162.93 クレジットでした(2026年10月時点)。FLF2V でも Reference to Video でも、同じ長さなら同じ値段で、参照画像を3枚にしても上乗せはありませんでした。

QH3で作った動画に文字を入れられますか?
A
今回は、タイトルや字幕を H3 に描かせず、編集で重ねました。動画生成モデルに文字を書かせると崩れやすいためです。キービジュアルのように元から文字が入った画像を使うときは、プロンプトで印刷された文字をそのまま保つように書くと、寄りきった時点では読める状態でした。

QH3の音はそのまま使えますか?
A
H3 の音には、H3 自身が付けた BGM が入っていることがありました。別の BGM やナレーションと重ねると不穏に聞こえたので、今回は外しています。H3 の音だけで仕上げるなら、そのまま使える場面もあると思います。


まとめ

MiniMax H3 で、静止画をアルバム風の告知動画にした流れをまとめます。

  • 写真を動かすのは FLF2V で、最初と最後に同じ写真を入れる。外見はプロンプトに書かず、写真で決める
  • アルバムは Python で合成した静止画にして、H3 には写真を描き直させない
  • ページめくりのように途中の状態が要る動きは、Reference to Video に参照画像3枚を渡す。FLF2V だと、最初に映っていないものは描かれない
  • H3 の着地は1〜2%ずれる。寄りは途中で切らずに速度で詰め、最後の0.5秒で補正すると目立たない
  • H3 の音には H3 自身の BGM が入る。重ねるなら外す。文字は編集で載せる
  • 2日間で約1,710クレジット。そのうち H3 の11本が1,493.54

静止画の画像集に動画を付けるのは初めてだったんですが、「写真が数秒だけ動く」くらいの使い方だと、H3 は思ったよりも素直に応えてくれました。つまずいたのは、つなぎ目と音という、生成の後ろ側だったのが意外でした。

MiniMax H3 は Comfy Cloud のパートナーノードから使えます




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